不妊専門鍼灸院 銀のすずは
自然妊娠から体外受精までの方を専門でサポートしています。

牛乳・・・。
私は気が付けば毎日毎日牛乳が食卓にありました。
その理由は、我が家は酪農家だったからでした!!!
私の実家は千葉県南房総にあり、日本酪農の発祥の地です。

次へ
あれ、北海道じゃないの?
違うんです。
8代将軍吉宗は、国民の寿命を延ばすことを目的とし、当時最高の薬餅と考えられていた乳製品である「醍醐」を生産・普及するため白牛3頭を千葉県嶺岡に導入しました。
白牛は年々繁殖し、1793年からは搾った牛乳で「醍醐」の名前を変えた白牛酪が作られるようになり、生キャラメルのような白牛酪は、庶民にも販売されるようになりました。
このことが日本の酪農のはじまりです。
そんな実家で生まれ育ったため、牛乳がいつもあったわけです。
さらに保育園、幼稚園、小学校の学校給食でも牛乳パックが・・・。
あーまた牛乳だ・・・。
何でそんなに飲まなくちゃいけないんだ!!!って子供の頃に思っていました。
身近すぎる存在の牛乳のこと、意外と知らずに、ただただ身体に良いものとして疑うことはありませんでした。

ただ、私は牛乳の頻度が高すぎて、見るのも嫌でした。
小学生の頃は「背が伸びるから飲みなさい」とか「骨が丈夫になるから飲みなさい」という教育を受けてきました。
学校給食でも、ご飯なのに牛乳・・・、って思いながら飲みました。
鼻をつまんで飲んでいたのを覚えています。
だって、ごはんに牛乳ってあんまりですよね?
私の記憶は置いておいて、牛乳の良し悪しを語る前に、牛乳の存在を見ていきましょう。

牛乳の歴史はとても古く、紀元前8000年頃メソポタミア、エジプトの地域で家畜化されたという記録があります。
生乳では保存が難しく、チーズやバター、ヨーグルトとして保存技術ができました。
日本の場合、仏教の伝来と同じような時期(奈良時代)に、中国大陸から乳製品の文化が伝わりました。
その後の中世(12~16世紀)には、乳牛の飼育が一般的ではないため、乳文化は途絶えていたと考えられています。
主に丑は農作業や運搬用として利用されていました。
江戸時代になり、ポルトガルやオランダを通じて、牛乳や乳製品が西洋文化として再び紹介されました。
蘭学(西洋学問)の影響で、牛乳が「滋養に良い」とされ、医療目的で一部の人々に利用されるようになりました。
明治時代になり、政府が文明開化の一環として洋式の食生活を推進し、牛乳が注目されました。
1869年、横浜で外国人向けに牛乳の生産・販売が始まり、これが日本初の牛乳販売とされています。
明治時代の後半に都市部で栄養食品と認識されるようになり、学校給食にも取り入れられました。
このころ、明治乳業が創業され、牛乳や乳製品の製造業が拡大しました。
第2次世界大戦後の栄養不足を補うために、学校給食に牛乳が採用され、牛乳の消費量が急増しました。
結局、明治時代後半に一般的な飲み物になったということです。

この話を書き始めたら、また私の記憶の話をしなくてはならなくなりました。
小さい頃の私は、大好きな父の手伝いをしたいと、いつも牛舎に居ました。
大変な仕事だったので、少しでも手伝ってあげたいと思っていました。
今思えば、私が手伝うことで父にはたくさん迷惑をかけてしまったと思いますが、その真相を確かめることはもうできません。
その中で牛へ餌をあげるお手伝いがありました。
牛は当然、草食動物です。
緑の草から乾燥した草を食べるのですが、それでは牛乳がたくさん出ないそうです。
だから、とうもろこしや麦などの穀物を与えていました。
当時はそういうものだとしか考えていませんでした。
その飼料には、カラフルな色がついたものがありました。
紫色やピンク色をしたトウモロコシです。
子供心に、それを手に取り、「お父さんこれなあに?」と聞き、臭いを嗅ぎました。
すると「それ食べちゃダメだよ!!!薬だから」って。
それが抗生物質やホルモン剤だとは当然知る由もありません。
濃い牛乳を作りたい、大量の牛乳を搾りたいと思うのは酪農家であれば至極当然だと思いますので、仕方ないとは思いますが・・・。
今思い返すと、薬がたくさん入った牛乳を飲んでいたのかと思います。

乳糖不耐性、エストロゲン、環境ホルモン、不妊

話を戻して、牛乳の成分に触れて見ましょう。
z
生乳の主な成分(平均値)
・水分:87~88%
・乳脂肪:3.5~4.0%
・乳糖(ラクトース):4.5~5.0%
・タンパク質:3.0~3.5%:カゼイン(約80%)とホエイ(約20%)
・カルシウム:100~120mg(100mlあたり)
・微量なリン、カリウム、マグネシウムなど
・脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E)
・水溶性ビタミン(ビタミンB群、ビタミンC):少量

こんな感じです。
一見、いろいろなものが入っているなーという印象ですが、ほぼ水です。
ミネラルやビタミンなどは大した量が入っていないので、ほかの食品から摂取した方が良いのは明らかです。
メインの成分は、乳脂肪と乳糖、たんぱく質で12%ぐらいです。
どの成分も体内に摂り込もうとするとき、小さく分解する必要があります。
この分解するのが酵素です。

牛乳内に含まれている乳糖を分解するラクターゼ(酵素)が少ない人が日本人の8割とか。
そのため牛乳を飲むと下痢をしてしまいます。
これでは牛乳がどんなに栄養があったとしても意味がありません。

私も必ず毎日下痢をしていて、小学生の頃の悩みでした。
小学校まで片道、3km。
朝、1.5㎏のところでいつもおなかが痛くなるんです。
戻ろうか、進もうか・・・毎日、悩んでいました。
よほど学校に行きたくないらしい・・・当時はそう思っていました。
しかしこれが乳糖不耐性だったということは大人になって初めて知ったのでした。

日本人の多くの人が下痢をしてしまう牛乳ですが、さらに悪いことは乳牛は多くの抗生物質やホルモン剤を食べさせられた牛たちであるということです。
その牛が作った牛乳にも同様に抗生物質やホルモン剤が入っているのです。
この時点で牛乳を飲んだほうが良いか考えなくてはなりません。

また、搾乳された牛乳は工場に運び込まれ、低温殺菌されます。
その際、牛乳に含まれる酵素は壊され、良い菌類たちも壊されます。
さらにほとんどのアミノ酸やタンパク質は変性し、ビタミン、ミネラルも壊されて使えないものとなっています。
カルシウムでさえ、使えないカルシウムになるようです。
変性、破壊されたものは数値上では計測できるかもしれませんが、使えなければ何の意味もありません。
そして熱処理されると乳糖が変化し、β型乳糖となり、血糖値を急激に上げることもわかっています。

まだまだあります。
「ホモジナイズ=脂肪球の均一化」という行程があり、これをすると牛乳が酸化するそうです。
最近ではホモジナイズしていない牛乳もあるのでそういった牛乳を選んだほうがいいですね。
判断する方法は、クリームラインができるかどうか。

これらの牛乳は生乳、つまり搾りたての場合は話が変わってきます。
熱処理されていないのでアミノ酸や酵素、ビタミン、善玉菌など体に必要なものがたくさん入っています。
生乳は素晴らしい!!!
是非飲んでください!!!

また最近の研究で、牛のカゼインたんぱく質にA1、A2の種類があり、ホルスタイン種の牛乳にはA1があり、ガンジー種にはA2が含まれていることがわかりました。
乳牛に多いのはホルスタイン種ですが、A1のたんぱく質はこれもまた下痢や腹痛の原因になるようです。
ガンジー種の牛乳に含まれるA2は、研究段階ですが子供の自閉症や統合失調症などに効果がみられるとか・・・。

そもそもA2ミルクとは?
正確には、β-カゼインA2A2遺伝子を持つミルクという言い方が正しいです。
「乳たんぱく」の成分のうち、3割程度を占める「β-カゼイン」の遺伝子の種類によってA1ミルク、A2ミルクと区別されています。
具体的に「β-カゼイン」には「A1」「A2」の2種類あり、組み合わせとして、
「A1A1」・「A1A2」・「A2A2」の3パターンの遺伝子に分けられます。
現在、日本の乳牛のほとんどが、「A1A1」もしくは「A1A2」の遺伝子で、「A2A2」の遺伝子を持つ乳牛は全体の約3割ほど。
諸説ありますが、A1の遺伝子は、人間が牛乳をたくさん出す牛を作り出すため、品種改良を重ねたことで、カゼインの遺伝子の一つが変わってしまったことが原因と研究結果で分かっています。
人間の母乳も「A2A2」で成り立っており、牛乳の中でも母乳に近いと言われています。
数字はA2と2番目なのですが、このA2こそが原始的ではじまりの牛乳の遺伝子なのです。

あまり牛乳を飲むこと自体、ほとんどありませんが、A2ミルクの存在を知り、飲んでみたわけです。
私は、カフェオレでも下痢をしてしまうほど、デリケートな腸をしておりますが、まったく起こらず!!!
飲むならA2をお勧めします!!!
最近、スーパーでも見かける機会が増えてきたので試してみてはいかがでしょうか?

次へ
今後、従来の製法で作った牛乳はもう売れなくなっていくでしょうね!!!

牛乳だけではありませんが、すべての商品を作り手、売り手、買い手はそれぞれ「意識」が違います。
例えば、
・作り手はたくさん作りたい ・売り手は安く仕入れて、高く売りたい ・買い手は良質な、健康的なものを手に入れたい と思っています。
でもね、作り手、売り手は、どうやって大量に作れるか、どうやったら売れるかを考えているのであって、皆さんの健康を考えてものづくりと販売はしていないのです。
そこをはき違えると、健康になろうと思っていたのに、不健康になったということになりますので、お気をつけください。

何かございましたらご質問ください。
銀のすず